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<脳科学トピック> その2 motor imagery and action observation(運動イメージと運動観察)の話です。

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Primingのそれぞれの紹介に入っていきます。いわば各論です。
前回、リハビリテーションにおけるプライミングとして以下の5つを紹介しました。

 

①stimulation-based priming(刺激に基づくプライミング)
②motor imagery and action observation(運動イメージと行動観察)
③manipulation of sensory input(感覚入力の操作)
④movement-based priming(動きに基づくプライミング)
⑤pharmacological priming(薬理的なプライミング)

 

今回は、②motor imagery and action observation(運動イメージと運動観察)の話です。

 

先行研究では、運動イメージ、運動観察、運動実行は脳における同じ機能的ネットワークを共有するということを示唆しています。すなわち、運動実行の前に運動イメージや運動観察を導入することで大脳の運動関連領域をプライミングし、運動実行を促通することが可能です。

 

運動観察、ミラーセラピー、コンピュータによって引き起こされるイメージ、オーディオテープによって引き起こされるイメージ、セラピストによって引き起こされるイメージといった方法が実際のセラピー、または運動練習前のプライミングとして利用可能です。

 

とあるTMSを用いた研究2)では、運動イメージや運動観察は皮質脊髄の興奮性を高めることが報告されました。興味深いことに、この結果は、アクションに関わる筋、および運動パフォーマンスのタイプに特有でした。

例えば、肘関節屈曲運動のみの運動イメージを行った場合(伸展運動のイメージを行わなかった場合)、運動イメージによって肘関節屈筋のみが影響を受けるということです。

つまり、運動イメージは課題特異的で、汎化しにくいと言えます。運動イメージやメンタルプラクティスをプライミングとして利用したいのであれば、強化したいパフォーマンスを選択することが重要です。

 

最近のコクランレビューでは、メンタルプラクティスは単独で実施するよりも、実際の運動と組み合わせて実施した方が上肢機能回復において効果があると報告しています3)。やはりプライミングはプライミングだけで終わらせるのではなく運動実行を求めることが必要と言えます。

 

ここまで、運動イメージやメンタルプラクティスの有効性を書き並べてきましたが、これらが万能というわけではありません。先行研究のサンプルサイズが小さい、介入方法が統一されていない、客観的評価指標が欠如している、といった課題があります。

 

今まで日常的に行っていた運動イメージ、運動観察、そしてメンタルプラクティスをプライミングと捉え直すと、その後の運動実行は必須と言えそうです。

先行研究では運動イメージや運動観察、メンタルプラクティスはそれぞれ単独で行うよりも運動実行と組み合わせて行うことが重要で、それにより機能回復を促進するとか、脳のコネクティビティを改善させるといった報告がされてきました。

改めて、運動イメージ後の運動実行の必要性を認識できます。

 

(文責:針谷遼)

Reference
1)Stoykov, Mary Ellen, and Sangeetha Madhavan. “Motor priming in neurorehabilitation.” Journal of Neurologic Physical Therapy 39.1 (2015): 33-42.
2)Fadiga L, Buccino G, Craighero L, Fogassi L, Gallese V, Pavesi G. Corticospinal excitability is specifically modulated by motor imagery: a magnetic stimulation study. Neuropsychologia. 1999;37(2):147-158.
3)Barclay-Goddard RE, Stevenson TJ, Poluha W, Thalman L. Mental prac- tice for treating upper extremity deficits in individuals with hemiparesis after stroke. Cochrane Database Syst Rev. 2011(5):CD005950.

 

 

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